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2019/02/13(水) 配信
派遣社員として働いている人の中にも、派遣社員は正社員と待遇が違っていて当たり前だと思い込んでいる人がいるかもしれません。しかし、産休や育休は、派遣社員も正社員と同様に取得が認められている休暇です。取得できることを知らなければ、必要のない退職をしてしまうかもしれませんし、条件が分からなければ、申請することすらできません。この記事では、いずれ派遣社員として産休や育休を取る可能性がある方を対象に、派遣社員が産休を取得するための方法について解説します。
派遣社員だからといって産休や育休を取れないと思っている人もいるようですが、産休・育休制度は正規雇用労働者だけに与えられた制度ではなく、派遣社員も取得できます。
簡単にまとめると、産休とは出産前後の妊産婦が会社を辞めることなく休業できる制度で、育休とは、産後の一定期間、会社を辞めることなく育児のために休業できる制度です。出産前後と赤ちゃんの子育て期間に休暇を取れるもので、これらの制度を利用することで、さまざまなメリットを得られます。
派遣社員にとって、産休を取得することにはさまざまなメリットがあります。たとえば、産休を取らずに派遣会社を辞めてしまうと、出産後はイチから仕事を探さなければなりません。しかし、産休を取れば、出産後も同じ派遣元で仕事を紹介してもらえます。派遣先の求人状況によっては、妊娠前と同じ派遣先で働けるかもしれません。出産後の雇用についても心配をしなくて済むのですから、心穏やかに出産を迎えられることが、最大のメリットだと言って良いでしょう。
本来、時給で働く派遣社員にとって、休暇を取るということは収入がなくなることにもつながります。そのため、休みを取りたくない派遣社員も少なからずいることでしょう。しかし、産休の場合は休んでいる間も手当てが出るので、完全に収入がなくなってしまうわけではありません。仕事で無理をすることが早産に繋がってしまうこともあります。産休を取って体を休めることは、元気な赤ちゃんを産むためにも必要なことです。母体と赤ちゃんの健康を守るという意味でも、産休は大事な休みと言えます。
詳しくは、「派遣社員が産休を取るメリット、デメリット」をご参照ください。
産休や育休は、雇用形態による取得条件の差はありません。正規雇用でも派遣社員でも同様の条件で取得できます。産休は、産前休業と産後休業の2種類からなる休暇です。産休は産前も産後も、取得できる時期が決まっています。産前休業は、出産予定日の6週間前からです。双子以上を身ごもっているときは、14週間前から取得できます。しかし、本人が請求することによって取得できる休暇なので、必ず取らなければならないわけではありません。
それに対して、産後は8週間まで就業できない決まりになっています。本人の請求と医師の承認があれば、産後6週間からは就業できますが、6週間経過するまでは必ず休まなければなりません。
育休は、1歳未満の子どもを養育する場合、男女を問わず取得できる休暇です。会社に申し出れば、子どもが1歳になるまでの期間取得が可能で、それ以降も最長で2歳の誕生日の前日まで延長できます。ただし、育休の場合は産休とは異なり取得要件を満たしている場合しか取得できません。期間の定めがある労働契約で働く場合は、同じ雇用主に引き続き1年以上雇用(派遣社員の場合は派遣元である派遣会社との契約期間が1年以上)されていることが必要です。そのうえで、子どもの1歳の誕生日以降も引き続き雇用される見込みがあることで1歳の誕生日まで育休を取れます。1歳6カ月まで育休を延長するためには、子どもの2歳の誕生日前々日までに労働契約の期間が満了し、なおかつ、その後契約が更新されないことが明らかになっていない場合という要件も満たすことが必要です。
詳しくは、「派遣社員も取れる?産休の取得条件とは?」をご参照ください。
派遣社員が産休を申し出る先は、普段仕事をしている派遣先ではなく、派遣元の派遣会社です。派遣社員の場合、労働契約を結んでいるのは派遣元である派遣会社との間だからです。ですから、産休取得を検討し始めたら、派遣先よりも先に派遣元に連絡するようにします。手続きは、派遣元の指示に従って行うので、揃える書類などについても派遣元に確認しましょう。一般的には、産休届を派遣元に提出することで取得できます。
派遣社員の場合、派遣会社が手続きの流れを示してくれることが多いのですが、規模によっては自分で調べたり、書類を取り寄せたりする必要があるかもしれません。健康保険に加入していれば、出産手当金や出産育児一時金も出ます。申請することでもらえる給付金なので、決められた期間内に忘れずに申請書類を提出するようにしましょう。
詳しくは、「知らない人はぜひ覚えておこう!派遣社員の産休・育休手続き方法」をご参照ください。
ではここで、派遣社員が産休を取得しようと思ったときに、不安を感じやすいのはどのような点なのかを調査したアンケートを紹介します。
不安なのは復帰後のこと
・産休中の手当てや育休の期間などが心配になります。また派遣社員なので、同じ会社(派遣先)に戻ってこられない、実質的に辞めなくてはならないという点も不安要素です。(20代/派遣社員/女性)
・産休明けに、仕事にスムーズに復帰できるのか不安です。派遣社員はひとつの会社での勤務がしっかり確立されているわけではないと思うからです。また、一定期間お休みをしていたことで会社生活に再び慣れることに少し時間がかかるのではないかと思います。(30代/正社員/女性)
・とくに不安はないが、派遣先の会社の女性職員が産休は取れないような社風であった場合に取りにくさと気まずさがあります。(40代/派遣社員/女性)
・正直なところ、派遣社員はある程度替えがきくポジションの仕事をしていることが多いので、よほどスキルが高いか人望があるかでもない限り、戻るのが難しいと思ってしまいます。(30代/個人事業主・フリーランス/女性)
・産休中に仕事がなくなったり、復帰後に周りから冷たい態度を取られたりするかもしれないという不安を感じると思います。派遣社員が産休を取れることを知らない人も多いと思うため。(20代/無職/女性)
・産休を明けたときに仕事があるか不安です。子どもが熱を出して途中で帰宅することになったときの周りの反応も嫌です。快く思わない人もいると思うので。(30代/個人事業主・フリーランス/女性)
【質問】
派遣社員として働いている最中に産休を取る必要があると仮定した場合、どのような点に不安を感じると思いますか?
【回答結果】
フリー回答
調査地域:全国
調査対象:【性別】女性
調査期間:2018年07月12日~2018年07月19日
有効回答数:100サンプル
今回のアンケートでは、産休を取得したあと、元の職場に戻れるのか、産休中に居場所がなくなってしまうのではないかといった不安の声が目立ちました。特に、派遣先に他のスタッフが派遣されることで、自分の居場所がなくなってしまうことを心配する意見が多くありました。また、たとえ復帰できても不安はあるようです。派遣社員が産休を取得できることを知らないため、不当な扱いを受ける心配があるという声もありました。産休取得は法律で認められた権利ですが、誰でも取得できるという認知度が低いため、心配につながっている様子がうかがえました。
では、ここからは、派遣社員の産休取得に対する不安を軽減する方法について詳しく見ていきましょう。
アンケートからも、派遣社員が産休を取る場合、不安に感じる点はある程度共通していることがわかります。比較的多かったのは、同じ派遣先で働けないのではないかという不安です。たしかに、産休明けに復帰する際に、働く場所が変わる可能性があることはあらかじめ理解しておいたほうがよいでしょう。ただ、実際に育児をしながら働くとなったときに、勤務時間や勤務場所に関して希望条件が変わることもよくある話です。産休を取る前だけでなく、育休中から復帰に向けて派遣元と密に連絡を取り、現在の状況や希望する条件などをこまめに伝えておくことで、派遣元の協力を仰ぐことも大事です。
派遣社員だから産休を申請しても断られるかもしれない、契約更新をしない理由にされるのではないかという声もよく聞かれます。しかし、これらは違法行為です。ですから、通常はそのようなことはありません。派遣元には希望を聞いてもらうことができ、可能な限りの協力はしてもらえるはずです。もしも、対応が悪いときは、担当者だけでなく派遣会社の別の窓口に相談します。あまりに悪質な場合は、労働基準監督署に相談することも大切です。
派遣社員だから産休が取れないと思いこんでいると、当然の権利でありながら、使用しないまま出産の時期を過ごしてしまいます。産休は、正社員か派遣社員かということに関係なく労働者が持つ権利です。出産するのに利用せずに終わってしまうのはとてももったいないことですから、きちんと申請して確実に取得しましょう。産休は安心して赤ちゃんを産み育てるために必要な制度です。今すぐ必要でなくても、将来いつか必要になるかもしれません。いつ産休を取得したくなってもきちんと申請できるように、産休制度について前もって勉強しておきましょう。
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