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2017/12/07(木) 配信
一口に派遣と言っても、現状では特定派遣と一般派遣の2種類あります。特定派遣は平成27年度の派遣法改正で廃止が決まりましたが、 経過措置期間中は派遣会社が国に対して所定の届け出をすることで特定派遣も認められます。事実上2種類の派遣区分が存在しているため、 登録の際にどちらの働き方を選ぶかを考えなければならない場合もまだあります。ここでは特定派遣と一般派遣それぞれの特徴と異なる点について解説します。
特定派遣とは、派遣会社との契約が常用雇用であるのが一番の特徴です。特定派遣の場合、派遣会社と正社員契約を結んだうえで派遣先に派遣されることが多いため雇用が安定しています。 派遣先との契約期間が満了した後、次の契約先が決まってない場合でも、派遣会社との契約が続いているため、給料が支払われ、社会保険なども継続して加入できる点が一番のメリットと言えます。 特定派遣は、平成27年の法改正以前には専門26業種と呼ばれていた専門性の高い職種に多い雇用形態で、従来は派遣期間が無制限でした。 法改正によって廃止され、一般派遣と同様3年の期間制限を受けることになりましたが、正社員としての安定を得ながら、派遣社員としてさまざまな企業で幅広い経験をすることができる点は特定派遣ならではのメリットと言ってよいでしょう。 1ヶ所で働き続けることは難しくなりますが、その分だけ多くの企業で活躍する機会が得られることになり、ノウハウや知識を多く得られる可能性が出てきました。
一般派遣は派遣会社に派遣労働者として登録をしたうえで仕事の紹介を受け、派遣先と合意が得られた場合は契約を結ぶという仕組みになっている点が特徴です。 そのため登録型労働者と呼ばれます。仕事の範囲が限られているため、自分が得意な仕事ややりたい仕事だけを選んですることができます。 また、2ヶ月~3ヶ月程度の短い契約期間を更新していく形のため、働きたい時期や時間帯だけを選んで仕事をすることも可能です。 一般派遣のメリットは、全体的に重い責任を負わされることが無く、煩わしい人間関係や働きにくい職場環境で長期間に渡って悩まされたり我慢を強いられたりすることが無いという点です。 雇用が不安定な面はありますが、労働者としてのニーズが無くなることはほぼないため、仕事内容について特別なこだわりがない限りは、 仕事自体が全くなくなる心配はないと言えます。仕事の自由度が高く、自分の価値観やライフスタイルを優先した働き方が可能な一方で、 給料が高めに設定されている点は他の働き方にはないメリットと言えるかもしれません。
特定派遣と一般派遣の最も大きな違いは、常用雇用か登録型雇用かという点です。特定派遣の場合、派遣先で働いていないときでも派遣会社との雇用契約が切れるわけではないため、 前の派遣先での派遣期間が満了して、次の派遣先での仕事が始まっていないときでも給料が支払われ、社会保険も引き続き加入できます。それに対して、一般派遣は登録型派遣のため、 派遣先への派遣期間が満了すると、その場で仕事が無くなり、収入も途絶えてしまいます。社会保険に関しても契約期間が満了すると同時に途切れてしまうため、契約が満了した際にも、 新たな派遣先への派遣期間が始まった際にも面倒な手続きが必要になる可能性があります。法改正以前は、一般派遣には最長3年という派遣期間が適用されるのに対して、 特定派遣は派遣期間が無期限という違いがありましたが、法改正に伴ってどちらも最長3年になりました。経過措置期間が終わると両者は統一されますが、常用雇用と登録型雇用の差は引き続き残ります。
先にも述べている通り、労働者派遣法が改正された際に特定派遣は廃止されることになりました。平成30年9月29日までは、 経過措置期間です。派遣から3年後には派遣期間が満了するため、その先のことを相談しなければならなくなります。 法改正では、特定派遣を廃止して一般派遣と統合しただけでなく、雇用の安定化措置やキャリアアップ措置の実施や均衡待遇の促進などについても決められました。 たとえば、事業所がキャリアアップ助成金を受けるためには、正社員化などの計画書を事前に提出したうえで、就業規則を整備し、実際に正社員化しなければならないという条件があります。 そのため、派遣先で正社員化されることを考えると、派遣会社と常用雇用の契約を結んでいないほうが有利になることもあり得ます。 ですから、新しい制度を自分自身に有利なように活用できているかをチェックするためにも、法改正によって特定派遣がどのような影響を受けているか正しく知ることが大事です。
最後に、派遣社員として働くことを考えている皆さんに、特定派遣についての法改正は満足か不満か質問してみました。
【質問】
特定派遣の法改正に対して満足できますか?
【回答結果】
満足:48
不満:49
調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年06月23日~2017年06月30日
有効回答数:97サンプル
満足か不満かは捉え方による
今回のアンケートでは、不満と答えた人が満足と答えた人より1人だけ上回るという結果になりました。不満と回答した人のコメントは次の通りです。
・労働者派遣法の改正により、3年以上の同じ職場での就労ができなくなったことにより、正社員に準じた長期間の労働ができなくなったことは、スキルアップ半ばで派遣先を離れなければならず、残念に思います。(40代/無職/男性)
・結局、正社員のチャンスをつぶされやすく、かといって派遣で長く働くことも出来ず、精神的に落ち着かない。精神的な余裕を与えてくれないと、首がしまっていくだけで、その場しのぎにしかならない。(30代/パート・アルバイト/男性)
・給与や時間の保証があっても、それが正社員への道には遠のくと思う。今の給与よりも先の道を考えた場合には、能力を発揮できる体制だとは思えない。
・給与や時間の保証があっても、それが正社員への道には遠のくと思う。今の給与よりも先の道を考えた場合には、能力を発揮できる体制だとは思えない。(40代/経営者/女性)
不満と答えた人のコメントを見てみると、特定派遣が廃止された点が派遣社員として働く側にとって不利な改正だと感じている様子がうかがえます。これまで例外として3年以上同じ職場でスキルアップを図れた人も、契約満了により他の職場でイチから経験を積まなければならなくなる点を不満だと感じている人が多いようでした。一方、満足と回答した人のコメントは次の通りです。
・特定派遣で働いていたのですが、派遣先では社員と同じように働いていたのに、社員の人より三分の一位給料が安かったので、法改正によって是正されるなら良いと思いました。(40代/個人事業主・フリーランス/女性)
・法改正されても、未だに給料面ではデメリットが大きいと思いますが、多くの企業で働けることは、お金では買うことができない貴重な体験だと思うからです。(40代/正社員/男性)
・実際には特定派遣の派遣先企業でも一般派遣と同様の扱いをしているところがあったから、いっそのこと差別化が無くなって良かったのではないかと思うから。(20代/正社員/男性)
満足と回答した人は、法改正前の特定派遣の扱われ方がよくなかったと感じている人のようです。仕事内容と見合った給与が支払われていなかったと感じている人は、法改正で待遇面が改善されると期待しているようです。また、派遣社員にとっては長く同じ職場で働き続けられることが必ずしもよいとは限らないこともうかがえました。ですから、特定派遣の法改正が満足か不満かという判断も、派遣社員として働く魅力をどの部分に感じているか、どのような職種で派遣社員を志望しているかなどによって違ってくるようです。
派遣社員には特定派遣と一般派遣があり、それぞれ派遣会社との関わり方に大きな違いがあります。 ただし、法改正により特定派遣が廃止されることになり、今後は区分がはっきりしなくなりそうです。 特定派遣として働いている人は、法改正により今後どのような影響を受けることになるのか、正しく把握して、これからの身の振り方を考えることが大事です。 そのため、まずは法改正の中身をしっかり理解して、疑問点を派遣会社に質問できるようにしておきましょう。
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