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派遣社員志望なら覚えておくべき?
キャリアアップ助成金の詳細

2017/12/07(木) 配信

派遣社員志望なら覚えておくべき?キャリアアップ助成金の詳細

 派遣社員として働くならぜひ知っておきたい制度のひとつにキャリアアップ助成金があります。名前の通りキャリアアップを推進するための助成金ですが、どのようなお金なのかがわかっていないと正しく活用されているか確認できません。まずはキャリアアップ助成金の目的や利用条件、申請の仕方などについて詳しく知るところから始めましょう。ここでは、キャリアアップ助成金とはどのようなものなのかということについて詳しく解説します。

派遣社員のキャリアアップ助成金とは?法改正ではどう変わる?

派遣社員のキャリアアップ助成金とは?法改正ではどう変わる?

 平成27年度の法改正において、キャリアップ助成金はいくつか変更点がありました。1つはコースが従来の3コースから8コースに増えた点です。具体的には次の8コースになります
・正社員化コース
 有期契約から正規雇用への転換を助成するコースです。
・人材育成コース
 職業訓練を助成するコースです。
・賃金規定等改定コース
 賃金規定などを改定した際に支払われる助成金です。
・健康診断制度コース
 元々義務化されていた健康診断以外の健康診断制度を導入した際に適用される助成です。
・賃金規定等共通コース
 正社員と同等の仕事をしている場合などに、それに応じた賃金規定を設けるなどの対応をした際に助成されます。
・諸手当制度共通化コース
 正社員と共通の諸手当制度を設け、それを適用した際に助成金が支払われます。
・選択的適用拡大導入時処遇改善コース
 社会保険の適用拡大などの措置を講じ、有期契約労働者を被保険者として基本給を増やした際に助成されます。
・短時間労働者労働時間延長コース
 短時間労働者の労働時間を所定の時間から5時間以上延長したことによって、新たに社会保険が適用された際に助成されます。
 それ以外の変更点は、正社員化コースの対象者が増えたこと、助成額が変更されたこと、人材育成コースの内容変更などです。

キャリアアップ助成金の助成金額はいくらなの?

キャリアアップ助成金の助成金額はいくらなの?

 キャリアアップ助成金は、派遣社員などを雇っている事業所が一定の改善を実現したことに対して支払われる助成金です。その金額はコースや改善内容によって異なります。たとえば、正社員化コースの場合でも、実施内容や会社の規模によって助成金額に差があります。正規雇用労働者などへの転換を行った際の具体的な支給額は次の通りです。(1人当たりの金額)

・有期契約→正規雇用中小企業60万円大企業45万円
・有期契約→無期契約中小企業30万円大企業22.5万円
・無期契約→正規雇用中小企業30万円大企業22.5万円
・有期契約→多様な正社員中小企業40万円大企業30万円
・無期契約→多様な正社員中小企業10万円大企業7.5万円
・多様な正社員→正規雇用中小企業20万円大企業15万円

 なお、派遣社員を派遣先で正規雇用などの形で直接雇用した場合には、条件によって15万円または30万円の加算があります。

支給手続きはどんな風に行うの?

支給手続きはどんな風に行うの?

 キャリアアップ助成金を受け取るのは事業所ですから、申請するのも該当する事業所です。手続き方法についてもコースによって異なりますが、たとえば正社員化コースの場合、助成金の申請より先に計画書を提出しておく必要があります。なぜなら、社内の制度を改善したことに対する助成金だからです。正社員化コースの場合、派遣社員などの非正規雇用労働者を正社員に登用する旨を事前に就業規則に加えておかなければなりません。ですから、就業規則がない会社では、就業規則を新しく作るところから始めます。就業規則の内容を変更したら、労働基準監督署に届け出たあとで、その就業規則に基づいて実際に正社員化などの転換を行います。助成金の額を増やすためには、生産性要件を満たさなければなりませんから、その点については税理士などの専門家に相談して進めます。実際に転換してから半年経過してから助成金の受給申請を行うことができます。

派遣元が勘違いしやすい?助成金の誤解とは一体?

派遣元が勘違いしやすい?助成金の誤解とは一体?

 派遣元の企業に多いのが、6ヶ月間パートなど非正規労働者として雇ってから正社員に登用すると助成金がもらえるという勘違いです。 助成金が支払われる条件としては、有期契約労働者が申請事業者に通算6ヶ月以上雇用されていた場合や無期雇用労働者が申請事業者に通算6ヶ月以上雇用されていた場合、派遣社員が申請事業者で6ヶ月以上派遣場所として就業している場合であり、なおかつ正規雇用を前提として雇用されていない場合という細かい規定があります。いくら有期契約の労働者について正社員登用を前提にせず雇用したとしても、前もって労働基準監督署に計画書を提出しておかなければ助成金の対象にはなりません。試しに使ってみてよかったら正社員にという場合でも、使えることがわかった時点で計画書を提出し、実際に改善を図って半年以上経過してから出なければ助成金の申請はできません。

派遣社員にメリットはある?キャリアアップ助成金がもたらす影響

派遣社員にメリットはある?キャリアアップ助成金がもたらす影響

 最後に、派遣社員として働いた経験のある方々に、キャリアアップ助成金のどのような点が派遣社員にとってメリットになると思うかを質問してみました。

正社員を目指すなら期待大

・助成金をもらって資格を身につけてキャリアアップすれば、さらに条件の良い資格を活かした専門職につける。(40代/正社員/女性)
・派遣社員の正社員化、人材育成、処遇改善の取組を実施した事業主に対してお金を助成する制度であるため、事業者のこうした取組によりキャリアアップできるメリットがあると思います。(30代/正社員/男性)
・働きなれた会社で正社員になれる可能性が高まるというのは、とても大きなメリットだと思います。(40代/専業主婦(主夫)/女性)
・正社員を目指している契約社員なら、助成金を受けながらモチベーションを保ち、正社員登用に向けてがんばれる。(20代/学生/女性)
・周りに振り回されることなく、自分の身になる資格を手に入れることが出来るというメリットです。(30代/正社員/女性)
・いろいろとキャリアが積めてしっかりと稼げる。(40代/派遣社員/男性)

 【質問】
 キャリアアップ助成金があることによる派遣社員側のメリットは何だと思いますか?

 【回答結果】
 フリー回答
 調査地域:全国
 調査対象:年齢不問・男女
 調査期間:2017年06月23日~2017年06月30日
 有効回答数:150サンプル

 派遣社員のキャリアアップをバックアップし、積極的に正社員化しようとする企業が増えることは派遣社員にとってのメリットになると考える人が多いようです。キャリアアップや正社員登用を目指すモチベーションが上がることなどをメリットとして挙げる意見が目立ちました。しかし、正しく助成金の内容を理解している人はあまり多くはないようです。キャリアアップ助成金は直接派遣社員の手元に入るわけではありませんが、制度がうまく機能すれば派遣社員の将来の選択肢が広がりそうです。どんな制度なのか、もう少し派遣社員自身が知っておいたほうがよいのかもしれません。

まとめ

まとめ

 キャリアアップ助成金は直接派遣社員がもらえるものではありませんが、派遣社員として働くのであれば、どのような内容の助成金なのかを理解しておく必要があります。たとえば、正社員化コースの助成金は、正社員化の計画書を提出するところから始まり、実際に正社員化したあとでなければ申請できないため、対象になれば正社員になれる可能性が膨らみます。きちんと正しく活用されているかを確認するためにも、派遣社員自身が内容を理解しておく必要があるでしょう。

 関連記事:「知っておいて損はない!派遣社員の基礎知識」をご参照ください。

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