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2019/02/22(金) 配信
夫婦共働きで配偶者控除を受けたい場合、主婦の収入を下げるケースが多いのではないでしょうか。人によっては扶養範囲内だと収入が少なくなるため、年末調整や確定申告は必要ないように思えるかもしれません。実際は、扶養範囲内の収入でも年末調整は必要です。年末調整とはどのようなものなのか、確定申告との違いは何かについて解説していきます。年末調整について正しく理解して、正しく納税できるようにしていきましょう。
扶養範囲内で働いている主婦でも、年末調整は必要です。年末調整とは、1年間に支払われた所得税を精算する手続きのことです。会社には源泉徴収を行う義務があります。源泉徴収とは、従業員の代わりに所得税を支払うことです。毎月の給料から所得税額を差し引いた上でまとめて納税します。収入の少ない主婦でも年末調整が必要なのは、扶養範囲内であっても源泉徴収が行われているからです。1年間の正しい収入は12月31日になるまでわかりません。そのため、源泉徴収では収入額に合わせておおよその金額を所得税額として天引きしています。実際の所得税額と給与から天引きされた概算の額では、誤差が生じるケースがほとんどです。年末調整はその誤差を埋める作業ですから、扶養範囲内の主婦でも年末調整が必要になるわけです。
会社で年末調整をしてもらう場合は「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出します。この書類を提出しないと、年末調整は行われません。年末調整がされなければ自分で確定申告をする必要が生じます。勤務先が1カ所のみなら、年末調整をしてもらったほうが手間をかけずに税金の申告ができます。自分や控除対象者の氏名など、記入内容は簡単ですので「給与所得者の扶養控除等申告書」はなるべく提出するようにしましょう。
給与所得者は、会社で年末調整をしてもらえれば正確に納税できるのが一般的です。一方で、給与所得者でも確定申告が必要になるケースがあります。勤務先で年末調整を行わない場合、2カ所以上の職場で給与所得が生じている場合、給与所得以外の所得が生じている場合などは、確定申告を行う必要があります。まず、2カ所以上の職場で給与所得が生じているケースについて説明しましょう。年末調整は「主たる給与」をもらっている勤務先が行う決まりになっています。そのほかの「従たる給与」の勤務先では、年末調整を行いません。しかし、源泉徴収はすべての職場で行われていますので、年末調整を行わない職場で生じた所得税額の誤差はそのままになってしまいます。そこで、個人で確定申告を行ってすべての所得を申告し、正しい納税額を算出します。
次に、給与所得以外の所得について説明しましょう。所得区分は10種類に分かれており、収入の生じ方で所得が変わります。土地建物などの権利による所得は不動産所得、株や投資信託などで得た所得は配当所得(特定口座で管理され、源泉徴収ありを選択の場合は証券会社が源泉徴収税を替わって還付している)、アフィリエイトで得た収入は雑所得です。年末調整ができるのは給与所得のみですから、そのほかの所得については個人での確定申告が必要になります。確定申告について分からないことがあれば、所轄の税務署でいろいろと教えてもらえます。確定申告の時期は混み合いますので、なるべく早い時期に税務署に相談しておくと良いでしょう。
働く主婦が気になるのは、配偶者控除の適用内で働けるかどうかではないでしょうか。配偶者控除は、配偶者の収入や年齢によって控除額が変わります。一般の控除対象配偶者の場合、納税者本人の合計所得額(総収入から給与所得控除を差し引いた額)が900万円以下なら38万円、900万円以上950万円以下なら26万円、950万円以上1,000万円以下なら13万円が控除額です。収入が1,000万円以上の場合は、配偶者控除が受けられません。12月31日現在の年齢が70歳以上の老人控除対象配偶者の場合は、納税者本人の合計所得額が900万円以下で48万円、900万円以上950万円以下で32万円、950万円以上1,000万円以下で16万円が控除額です。
また、生命保険料の支払いがある人は、生命保険料控除が受けられます。支払った保険料に応じて控除額は変動します。生命保険料が8万円以上の場合は一律4万円が控除になりますので、支払い額が多い人は忘れずに申告しましょう。生命保険料控除は所得の多い夫の会社で年末調整をしてもらうと、その分所得が低くなって課税額が少なくなります。
働く主婦を対象に、年末調整でお金が戻ってきたことはあるか聞いてみました。
【質問】
年末調整の結果、お金が戻ってくることが多いですか?
【回答結果】
はい:121
いいえ:54
調査地域:全国
調査対象:【結婚】既婚
調査期間:2018年09月12日~2018年09月19日
有効回答数:175サンプル
7割の人は年末調整で税金が戻ってきている!
全体の7割が、年末調整によって税金が返ってきているとのことでした。
・保険をたくさんかけているので、その分のお金の戻りが多いです。(30代/女性/パート・アルバイト)
・パート先から年末調整でお金が戻ってくることが何回かありました。パートの給与から差し引かれる源泉徴収額はおおよその金額であるため、実際に支払う金額より多く引かれていたようでした。余り大きな金額ではないですが、さらに追加で支払うよりも戻ってくるものがある方が安心です。(40代/女性/パート・アルバイト)
金額としては多くないものの、払いすぎた税金が戻ってくるので安心との声が多く聞かれました。それでは、戻ってこない方のコメントを見てみましょう。
・今は扶養の範囲内なので、全く戻ってきません。正社員で働いていたときは、毎年いくら戻ってくるか期待をしていましたが、今は期待はずれと言って良い程ほとんど戻ってきませんでした。(30代/女性/パート・アルバイト)
扶養の範囲内で働いており、収入が少ない人は戻りも少ないとのことでした。
本来は払う必要のなかった分を返してもらっているだけではありますが、年末調整によって税金が戻ってくると臨時収入のようにも感じられてうれしいものですね。
共働きの主婦は、収入が少なくても年末調整によって所得税の還付が受けられるケースがあります。わずかでも節税につながるため、給与所得を受け取っている場合は年末調整をしてもらうようにしましょう。副業や仕事の掛け持ちをしている場合は、確定申告も忘れてはいけません。還付額が少ないと年末調整や確定申告が面倒くさく感じるかもしれません。しかし、少しでも損をしないように、必要な手続きはしっかり行うことが大切です。
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