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2019/02/22(金) 配信
独身時代はバリバリ働いていた人も、結婚して子どもが生まれると、これまでのように働けなくなるという人が多いのではないでしょうか。家事育児が主軸となり、扶養範囲内で働きたいと思う人も多くなります。主婦(主夫)が仕事をする際にポイントとなる扶養枠とは、どのようなものなのでしょうか。扶養に関する話はなんとなく知っていても、法改正によって制度が変わっているケースもあります。扶養範囲を超えてしまい予定外の課税額に困ることのないように、主婦(主夫)が気をつけるべき扶養枠について理解しましょう。なお、扶養枠に関しては夫・妻のどちらが扶養者・被扶養者でも構いませんが、今回は夫が扶養者、妻が被扶養者のケースで説明します。
主婦(主夫)が扶養範囲内で働く場合、以前は103万円の壁を気にする人が多かったのではないでしょうか。夫が扶養者、妻が被扶養者の場合、基礎控除38万円と給与所得控除65万円の合計金額103万円以内なら、妻の所得税は非課税になり、夫は38万円の配偶者控除を受けることができました。2018年1月からは配偶者控除に関する妻の年収が変更になり、103万円から150万円に引き上げられています。また、年収が150万円以上になっても、201万円までなら段階的に配偶者特別控除が適用されます。
150万円までなら扶養の範囲内で働けるものの、金額が引き上がったことによって注意しなければならない点も出てきました。所得税が非課税になる年収額は変更されていませんので、夫の扶養範囲内で働いたとしても103万円を超えれば、妻自身に所得税がかかってきます。夫の会社の社会保険に加入している場合は、年収が106万円を超えると勤務先の社会保険に加入しなければなりません。ただし、106万円の壁にはいくつか条件があり、適用されない場合は130万円がボーダーラインになります。妻の年収が130万円を超えると、夫の社会保険から外れます。勤め先の社会保険や国民年金・国民健康保険に加入して、それぞれの支払いを行わなければなりません。主婦が扶養範囲内で働く場合は、配偶者控除だけではなく所得税や社会保険の壁についても意識しましょう。
主婦(主夫)が扶養内で働くメリットは、何といっても税制面での優遇が受けられる点でしょう。年収は高いほど税額も上がります。逆に、年収が低いと税額も下がるものの、もともとの収入が低い場合は、支払う税金をなるべく安くしたいものです。主婦(主夫)が配偶者控除の範囲内で働けば、ある程度の収入は確保しつつ、税金面でも節約ができます。
会社に制度がある場合は、扶養手当がもらえるケースもあります。家族手当、扶養手当、配偶者手当など、会社によって呼び方はさまざまです。家族手当とは、配偶者や子どもなどの家族を扶養している社員に対して支給される福利厚生のひとつです。扶養人数によって手当の額が変わってくるため、子どもが多い家庭ほど利用したい制度と言えます。ただし、扶養手当を支給するかどうかは会社によって違います。法律で支給が義務付けられているわけではないので、会社によってはもらえないケースもあるでしょう。
夫が扶養者、妻が被扶養者だった場合、妻が夫の扶養範囲から外れると、夫は配偶者控除を受けられなくなります。夫の所得税や住民税は高くなり、妻自身も税金の負担義務が生じます。106万円、もしくは130万円以上の収入を稼ぐ場合は、社会保険等の支払いも必要です。しかし、扶養から外れることは必ずしもデメリットだけではありません。所得が195万円以下の所得税率は5%、195万~330万円以下なら10%と、所得税率は所得が高くなるほど上がります。中途半端に働いて手取りが少なくなるよりは、ガッツリと働いて収入を増やしたほうが、家計も楽になるのではないでしょうか。
社会保険の扶養から外れる場合も、社会保険料の負担が増えるので大変です。しかし、疾病時や出産時などは収入補償制度が受けられるメリットもあります。傷病手当金は、被保険者が病気やケガで会社を休まざるを得ないときに受けられる手当金です。出産手当金は、出産のため会社を休んだときにもらえる手当金です。これらは被保険者を対象にした給付なので、扶養枠で働いている場合には支給されません。
扶養範囲内で働いたほうが良いのか、妻もしっかり稼いだほうが良いのかは、夫の年収や家庭の事情で変わってきます。夫婦で働く場合は、扶養範囲内と範囲外で家計にどう影響を与えるのか、しっかり検討しましょう。
扶養範囲内で働く際にどのようなデメリットを感じるか、主婦(主夫)のみなさんに聞いてみました。
扶養範囲内で働く主婦はそれぞれジレンマを抱えている
全体の7割が、年末調整によって税金が返ってきているとのことでした。
・扶養範囲内の年収を気にして勤務時間を短くしなければならないこと。繁忙期に勤務時間をセーブせざるを得ない状況になると、同僚に対して非常に気まずい思いをする。(30代/女性/専業主婦(主夫))
・長い時間、そしてたくさんは稼げないのでほぼ生活費に消える。ボーナスがもらえない。(30代/女性/専業主婦(主夫))
・結局配偶者に頼っているので、いざとなったときに自立できない。(40代/女性/個人事業主・フリーランス)
・扶養範囲内の年収におさえるにはどうしても、パートやアルバイトになるので、福利厚生を受けられない。安定して雇用してもらえない。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・キャリアをしっかり積むような働き方が難しく、もどかしい思いをすることがある。自身の実力や体力的に上を目指せるキャパシティがあるにもかかわらず力を精一杯発揮できない。(20代/女性/専業主婦(主夫))
【質問】
扶養範囲内で働くデメリットは何だと思いですか?
【回答結果】
フリー回答
調査地域:全国
調査対象:【結婚】既婚
調査期間:2018年09月12日~2018年09月19日
有効回答数:209サンプル
さまざまなデメリットについて意見を聞くことができました。たしかに、思う存分働けないもどかしさや夫に頼りきりになる不安感は、扶養範囲内で働く主婦ならではの悩みかもしれません。一方で、税制面で受けられる優遇措置もおろそかにはできません。生活をする上でどちらがよりお得なのか、夫婦で話し合いながら働き方を決めると良さそうです。
夫婦で働く場合は、育児や介護など家族の状況を踏まえたうえで、しっかり話し合うことが大切です。必要な収入額やその収入が必要な期間などをしっかり検討しましょう。税制面や家庭の事情、仕事への熱意など、さまざまな観点から優先順位や仕事の条件などを整理して、自分の希望に合った働き方を探すと良いでしょう。
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