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2020/02/19(水) 配信
工場の仕事にはさまざまな種類があり、その内の1つに機械組立があります。求人で見かけて興味はあるものの、具体的にどんなことをする仕事なのかがよくわからず、応募をためらっている人もいるのではないでしょうか。そこで、ここでは機械組立という仕事の概要や流れ、向いている人、平均給与、採用のポイントなどについて説明します。
機械組立とは、その名のとおり機械を組み立てる業務のことです。設計者が用意した図面や設計図に従って組立・製造していきます。組立の対象となるのは精密機械から自動車のフレームまで工場によってさまざまです。機械の生産工程は、部品を組み立てる部門と完成した部品と部品を組み立てて製品を完成させる部門とに大きく分かれます。また、ずっと同じ部品の組立を担当し同じ作業を繰り返す場合もあれば、部品から完成までひとりで担当する場合もあります。
パソコンや冷蔵庫など製品を大量生産する工場は前者になることが多いです。ベルトコンベアで運ばれてくる部品をとって組み立て、できたものを次の工程へと流します。医療機器のような特定の現場で使う専門性の高い機械は後者になることが多いです。この場合は、ひとりで機械が完成するまで担当します。機械組立の仕事を行うのに特に必要な資格はありません。ほかの職業から転職して未経験から始め、活躍しているケースもあります。国家資格である「仕上げ技能士」を取得していると、採用に有利に働く可能性は高いです。これは厚生労働省が認める技能試験の1つです。
求人の際は「機械組立」ではなく「組立」「組付け」などの名称で出ていることもあります。求人を探す際は気を付けましょう。
どのような仕事か判断するために、全体の流れを把握しておくことは大切です。ここでは、一般的な組立作業の流れを紹介します。まず、設計者が作成した設計図をもとに必要な治工具や加工部品を用意し、組立作業を行います。指示に従って組み立て、完成したあとは調整作業です。正常に作動するかどうかを入念にチェックし、動作確認の作業を行います。ここで問題がなければさらに検査工やエンジニアが検査を実施し、その後は社内検査にうつります。社内検査に合格すれば顧客立ち合いのもとで検査をし、特に不具合がなければようやく組み立てた機械の出荷です。
なお、製品によっては部品の状態で顧客の元に運び、現地で組み立てたのちに検査や調整まで行うケースもあります。そのほか、出荷して終わりではなく、メンテナンスや修理などアフターフォローのサービスを提供する場合もあります。
厚生労働省の平成29年度の統計によると、機械組立工全体の平均時給は1043~1695円です。時給にこれだけ差があるのは、能力や経験によって時給が変わるからです。機械組立には一般機械器具、電気機械器具、自動車などさまざまな分野があり、なかでも輸送用機械器具の平均時給が1102~1791円ともっとも高くなっています。ほかのたいていの職種と同様、機械組立工も年齢が上がるほど年収もアップすることが一般的です。なかでも20~30代で年収が上がりやすい傾向があります。
男性と女性とでは、年収に差がつくことが多いです。これは、女性は大型で重量のある機械の組立が難しいために仕事が制限されたり、非正規雇用の割合が高かったりすることが影響しているのでしょう。全体的な傾向としては、その年にどの製品の需要が高まるかによって左右されるきらいはあるものの、機械組立工の年収は年々上昇する傾向にあります。未経験からでも始めやすく、スキルを磨くほど担当できる仕事の幅が広がって収入アップが目指せる仕事です。
機械組立の仕事の大きなメリットとして、まずはこれまで経験したことがないまったくの初心者でも、仕事が覚えやすく挑戦しやすいことが挙げられるでしょう。先に紹介した「仕上げ技能士」の資格を取得していれば仕事に役立つ可能性はありますが、多くの場合、資格や知識がなくて困るものでもありません。基本的に、担当するのは同じ作業を繰り返す作業なのですぐに覚えられるでしょう。最初のうちは流れにのって仕事をこなすだけで大変に感じるかもしれません。しかし、作業に慣れてくれば次第にスムーズにこなせるようになります。
コツがつかめれば、どうやればもっと早く作業できるだろうなど改善点を考えながら仕事に取り組めるようになります。スムーズに仕事ができるようになると、仕事がより楽しくなるでしょう。機械組立は立ち仕事であることが多く、体力が必要ですが、力のあまりない女性の場合は肉体的な負担の少ない検査工程に回されるなど配慮されるケースもよくあります。また、新卒で就職活動しても採用されるのは難しそうな大手メーカーや有名企業で働くチャンスが得られることも、メリットといえるでしょう。
正社員登用制度のある企業であれば、正規雇用も目指せます。これは、一定期間継続して真面目に勤務したのち、試験や面接などを受けて合格基準に達していれば正社員になれる制度です。
京浜や中京、京阪神、北九州、太平洋ベルト地帯などの重工業地区と呼ばれる地域が就業地になることが多いのが機械組立の特徴の1つです。ただし、地方工業都市に工場を分散させる傾向があり、必ずしも就業先がこのエリアになるわけではありません。機械組立は工程の最後です。そのため、そこにいたるまでの設計や機械加工などの工程で遅れが生じると、機械組立にしわ寄せがくることは避けられません。客先の納期は動かせないため、間に合わせるために残業や休日出勤を重ねることがあるなどハードな面がある点も特徴といえます。
作業工程の一部をオートメーション化することで、業務自体は簡単になりつつあります。ただし、ロボットを使用した組立作業は高度化していて、熟練の技能が求められる傾向があります。
機械組立は派遣社員や期間工が従事していることが多いです。契約期間は3カ月や6カ月となることが一般的で、満了すれば更新して続けられます。これは延々と更新できるものではなく、契約期間は最長で2年11カ月と法によって決まっています。期間工の場合は企業側が望めば再雇用して同じ職場で働けますが、派遣社員は同一の職場で3年を超えて働けません。そこで、仕事で身につけた技術と経験を生かして、期間満了後は同業種の工場に勤務するケースも多いです。前職で習得した機械組立の技術が評価され、経験者として優遇されることもあります。
また、大手メーカーの正社員の採用試験にチャレンジする人もいます。技術が身につき仕事を理解した状態からの応募なため、新卒で応募するより採用される可能性は高くなっているでしょう。ロボット事業など技術の発展には著しいものがあります。能力のある機械組立工の需要は高く、たくさんの求人が出ています。経験者を求める企業は多く、正社員として登用・採用するケースが増える傾向にあります。これは、工場自体もオートメーション化され、技術のある機械組立工を含む少数精鋭で回すことが求められるようになりつつあるためです。このように、機械組立は高い将来性が望める仕事といえるでしょう。
どのような仕事にも向き不向きがあります。入社してから仕事に向いていないと後悔しないためにも、どんな人が機械組立に向いているかを知っておきましょう。まず挙げられるのが、体力がある人です。これは、機械組立は長時間立ち仕事をすることが多く、力が必要な作業もあるためです。体力があまりなくすぐに疲れてしまう人では続かないでしょう。長時間同じ作業を正確にこなし続ける必要があることから、集中力があることも大切です。注意力が散漫な人では、次々に流れてくる部品を拾って精密に組み立てる作業を続けることは難しく、どこかでミスを犯してしまう恐れがあります。ライン作業でミスがあると全体に迷惑をかけてしまうため、集中力がない人には向いていません。
やりがいのある仕事がしたい人にも向いているでしょう。機械組立は多くの組立工が協力し合って1つのものを作り上げるため、やりがいを感じやすいです。組み立てているのが家電製品や音楽機器など生活の身近なところで使われている製品であれば、日常生活で見かけたときなどに製造に関わっていることが嬉しく、誇りに思えるでしょう。組立のなかでも最終工程に関わっているなど責任の重い仕事を任されている場合は、製品が完成したときに達成感や充実感を得やすいです。
ものづくりが好きという人にも向いています。機械組立はまさにものを作りあげていく仕事だからです。身近なものがどんな工程を経て作られていくのかが分かり、楽しく感じられるでしょう。
先に述べたように、機械組立は無資格でも挑戦可能です。とはいえ、取得しておくとキャリアアップや給料アップが望める資格もあります。働きはじめてからでも取得に挑戦すると良いでしょう。まず、機械組立の仕事をするうえで役立つ資格として、先述した仕上げ技能士のほか、機械検査技能士、機械保全技能士、油圧装置調整技能士などがあります。仕上げ技能士は部品の仕上げや組立の技能レベルがどの程度あるかを測る資格です。機械検査技能士は機械部品の検査に必要な技能・知識があるかを、機械保全技能士は機械の保全に関する技能・知識があるかを測ります。油圧装置調整技能士は油圧装置の組立や保全に必要な技能・知識を測る資格です。
ほかにも、玉掛けやクレーン・デリック運転士、移動式クレーン運転士なども機械組立の現場によっては取っておきたい資格です。アーク溶接の作業があるならアーク溶接作業者が必要ですし、大型の荷物を運ぶ現場ではフォークリフト運転技能者があると重宝されます。ブレス金型取換作業者は、金属プレスや機械部品加工などの現場で役立つ資格です。自動車の工場で働きたいのであれば、自動車整備士があると良いでしょう。
製造業では規模に応じて安全管理者を選任することが法律によって定められているため、安全管理者資格を取得していると優遇される可能性があります。同様に、特定化学物質の扱いが必要な現場では特定化学物質作業主任者を設置しなければならないため、資格を取得していると重宝される可能性があるでしょう。
派遣会社から仕事の紹介を受けたら、契約前に職場見学・顔合わせを行うことが一般的です。ここでは、採用の確率を上げるために顔合わせや履歴書で注意したいポイントについて説明します。
体力アピールをする
機械組立は、基本的に力仕事となります。体力がないと判断されれば採用されるのは難しいでしょう。そのため、体力や忍耐力があることをアピールすることが大切です。履歴書の特技欄でアピールすると良いでしょう。たとえば「腕立て伏せが〇回できます」「水泳を10年以上続けています」といった内容で書くのも1つの方法です。体力に自信がないときでも、自信なさげにせず前向きな回答をしましょう。たとえば、「もともとはあまり体力がないほうでした。これではいけないと思い、毎日筋トレを続けるようになって体力がついてきたと感じます」などとするとポジティブな印象を与えます。
志望企業の製品に興味がある点をアピールする
志望動機は、志望する企業の製品に興味があり、製造に関わりたかったという方向性でまとめるのも1つの方法です。製品に興味があるとすると、熱意も伝わりやすくなります。ただし、実際に製品について聞かれたときに何も答えられないのでは逆効果です。事前にしっかりリサーチして基本的な情報や興味がある理由などを答えられるようにしておきましょう。
職歴については嘘をつかない
仕事を探している人のなかには、前職の職務期間が短かったりブランクが長く続いていたりする人もいるでしょう。その理由について問われることもあります。このとき、悪い印象を与えたくなくて適当なウソをついてはいけません。マイナンバー制度の導入により、虚偽の職歴を述べてもすぐに発覚してしまうため、誠実に答えることが大切です。熱意をもって「どうして御社で働きたいのか」を伝えやる気をアピールすることで、与えてしまったマイナスイメージを払拭するよう努めましょう。
機械組立の仕事は、ものづくりが好きな人やこつこつと作業に取り組むことが得意な人に向いています。やりがいを感じられ、楽しんで続けられるでしょう。努力次第でスキルが身につき、正社員登用が目指せる企業もたくさんあります。機械組立の仕事を探すなら、グロップにWeb登録してみてはいかがでしょうか。グロップなら、豊富な求人から自分にマッチした仕事の紹介が受けられます。
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