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2019/12/02(月) 配信
生産管理は、製造業の職種のなかでも重要な役割を担う仕事です。工場の仕事を探していて、目にしたことがある人も多いでしょう。しかし、見たことや聞いたことはあっても、具体的にどのような業務を担当するのかわからないという人もいるのではないでしょうか。そこで、今回は生産管理の具体的な業務内容や魅力、向いている人などについて紹介します。
生産管理とは、製造業において、販売計画に基づいて生産から出荷に至るまでの体制を整え、管理する仕事です。製造業では、必ず製品の納期が設けられます。製造部門は期日に遅れることなく納品できるように、製品の生産を進めなければなりません。そこで、生産管理が部品や原材料の調達から人員配置、工程の管理、出荷まで行います。もし、生産計画通りにいかない事態が発生したときは、状況を判断して適切な対応を行うことも必要です。
つまり、生産管理は現場の指揮官的な役割を担っています。製造業の要となる重要な職種といえるでしょう。具体的な業務は幅広く、多岐に渡ります。次の段落で、どのような業務があるかを詳しく説明します。
生産管理の目的は、現場がスムーズに製品の生産を進め完了できるように支援することです。そのため、生産管理と一言でいっても、業務は多岐に渡ります。たとえば、販売計画に基づいて生産計画を立案するのも生産管理の仕事です。生産計画では、製品の種類や数量、時期、必要な原材料や部品などを決めます。原材料や部品を調達するため、仕入れ先と価格の交渉を行ったり契約を結んだりするのも生産管理の仕事の一端です。そのほか、生産に必要な人員を手配したり、生産場所を確保したりすることも行います。ラインが稼働すれば、生産全体の進捗状況を管理し、遅れが出ないように調整するのも大切な仕事です。
製品は、ただ納期に間に合うように作れば良いというものではありません。優良な品質であることが求められます。そこで、品質管理部門と協力して製品の品質を維持したり、より良いものが作れるように尽力したりすることも、生産管理の仕事に含まれます。また、製造業では原価管理を行ってコストを可能な限り抑え、利益率を上げることが大切です。生産管理では、原価維持や利益率の改善のために必要な取り組みも行います。企業や工場によって必要な業務に多少の違いはありますが、生産管理は工場ラインの「頭脳」と表現できるでしょう。
生産管理は、生産の開始から完了、出荷まで一貫して製品に関わる仕事です。それだけに、大きなやりがいのある仕事といえるでしょう。ここでは、生産管理の魅力について具体的に紹介します。
やりがいがある
生産管理の魅力としてまず挙げられるのが、大きなやりがい、達成感を得られることです。製造業の企業でまず目につく部門というと、新製品の開発などを行う開発部門や製品を売り込む営業部門という人は多いでしょう。しかし、いくら素晴らしい製品を開発したり受注を受けたりしても、製造が滞りなく進まなければ意味がありません。そういう意味で、製造業の要となるのは製造部門といえます。そして、生産計画通りに製品づくりが進むように工場全体をコントロールするのが生産管理です。同じ製造部門でも、パートやアルバイトが担当することの多いライン作業とは異なり、重責の伴うポジションですが、それだけにやりがいを感じられます。
また、生産現場において改善行動や業務の効率化に取り組み、作業日数が短縮できたなど目に見える成果が表れたときは大きな達成感を得られます。たとえば、これまで慣習的に行ってきたからと、作業員が個々に日報を作成して上長に確認印をもらっているとしましょう。こういった業務は、なくしても問題ないことが多く、余計な業務が減ったことで作業効率が向上する可能性があります。このような業務上の無駄を見つけ、改善することは、生産現場を支える生産管理だからこそできるといえるでしょう。
知識を活かせる
生産管理は幅広い業務を行うため、さまざまな知識が必要で、それらを活かせるシーンが多々あります。この点も生産管理の魅力の1つです。たとえば、生産する製品に関する知識は欠かせません。また、貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書などが読み解ける程度の経理知識も必要です。パソコンスキルやビジネスメールの作成といった一般的なビジネススキルも要るでしょう。
そのほか、IEの知識もあることが望ましいです。ここでいうIEとはインダストリアルエンジニアリングのことで、低コストで効率的にものづくりを行うために人や機械、材料などを無駄なく活かす技術を指します。IEの知識があれば、工程や作業内容、レイアウト、設備内容などを客観的に把握、分析でき、無駄を洗いだしたり改善行動を行ったりすることが可能です。また、QC七つ道具の知識があれば、品質の改善に活かせます。これは、道具といっていますが物品ではなく、グラフや管理図、チェックシート、度数分布図など7つの図表を活かす手法を意味しています。
経理や製造に関する幅広い知識があるほど、それらを活かして活躍することが可能です。スキルを持っている人ほど、手ごたえを感じられやりがいが得られるでしょう。これらの知識がない人や未経験者であっても、生産管理の業務を通し、習得することが可能です。
現場全体を見ることができる
現場全体を見ることができる点も、生産管理の魅力です。黙々と決められた単純な組立作業を繰り返すラインとは異なり、生産管理は製造の進捗状況を管理し、遅れが出ないように調整する必要があります。従業員を必要なだけ確保して適切に配置したり、計画通りに生産できているか、部品や資材の不足はないかなど数の管理を行ったりもしなければなりません。生産現場の指揮官として活動するため、現場全体を見渡すことができるのは、生産管理の特権といえるでしょう。
製造やものづくりに計画段階から深く関われることも、興味のある人にとっては大変魅力がある仕事だといえます。自分が製造に関わった製品が市場に出回っているのを目にすることは、喜びにつながるでしょう。
生産管理は大きなやりがいの感じられる仕事ですが、重要な役割を担うだけに大変なこともあります。ここでは、生産管理の仕事をするにあたって負担に感じやすい点について説明します。
臨機応変な対応が求められる
生産管理の仕事で大変なのは、不測の事態に面したときに瞬時に状況を判断して、臨機応変に対応する必要があることです。製造部門は、必ず納期までに製品の生産を完了して出荷準備を整えなければなりません。しかし、生産現場においては予期せぬトラブルが発生し、計画通りに進まないことが少なからず起こります。たとえば、設備トラブルやシステムエラーが起こったり、原材料が予定通り入ってこなかったり、自然災害によって設備に被害を受けたりといったことです。生産管理は、トラブルが起こったときも慌てず冷静に必要な情報を収集し、適切に判断して現場に指示する必要があります。
思い通りに現場が回らず大変な思いをすることもあるでしょう。しかし、それだけにトラブルを切り抜けたときは大きなやりがいが感じられます。
板挟みになることもある
製造部は、営業部や生産技術部など他部署とも業務上の関わりがあります。円滑に業務を進めるためには各部署との協力が欠かせません。しかし、営業部の要望通りの日程で生産するのは難しかったり、製品に不具合が生じたときに責任があるのはどちらかということで生産技術部ともめたりと板挟みになることがあります。生産管理は現場を指揮する立場のため、従業員と顧客の間で板挟みになることもあるでしょう。双方の考えや意見を受け止めてうまく調整する必要があります。コミュニケーションスキルなどを活かして切り抜ける必要があり、大変です。
どのような仕事でも、向いている人もいれば向いていない人もいるものです。仕事を始めてからこんなはずではなかったと後悔しないために、生産管理に向いているのはどのような人か知っておきましょう。
ものづくりに興味がある人
生産管理に向いている人の特徴としてまず挙げられるのが、ものづくりに興味があることです。製造現場を指揮する仕事ですので、そもそも製造に興味がなければ、仕事に関心を持って携わるのは難しいといえます。また、好奇心があり、積極的に新しい知識を身につけようという人も向いているでしょう。生産管理は、覚えるべき知識やスキルがたくさんあります。ものづくりに興味がある人であれば、積極的にさまざまな知識やスキルを習得して活かせる場面が多いです。
広い視野を持てる人
広い視野が持てる人であることも、大切な要素です。生産管理は、必要な材料や部品の調達から作業員の配置、トラブルの対応まで、製造に関わるさまざまなことを把握する必要があり、俯瞰的に物事をみる必要があります。また、長期的、短期的両方の視点から計画を立て、円滑に進行するように調整することも必要です。そのため、目の前の1つのことに集中してコツコツ取り組むという人よりも、全体像を把握し、物事に判断を下せる人が向いています。製造の現場では、予測せぬトラブルがしばしば起こるものです。そのようなとき、冷静に判断し、柔軟に対応できる人も向いています。
勉強熱心な人
勉強熱心で知的好奇心のある人も、生産管理に向いています。現場に対して業務の改善を求めることは、生産管理の仕事のうちです。そのためには、「ただ改善しろ」というだけではいけません。業務上の無駄や問題点を見つけ、改善するためにはどうすれば良いか、行動や方針を示す能力が必要です。現状に満足することなく、作業効率を上げるため向上心をもって業務に取り組む人が求められます。また、これまでにも述べたように、生産管理を行うにあたってはさまざまな知識が必要です。そのため、常に積極的に新しい知識やスキルを学ぼうと勉強に励める人であれば、生産管理において活躍できるでしょう。
コミュニケーションスキルがある人
コミュニケーションスキルがある人も、生産管理に向いています。生産管理は製造現場の全体を管理し、作業が滞りなく進むように調整、指揮する立場です。そのため、さまざまな人の間に立つ必要があります。ときには板挟みになることもあるでしょう。そこをうまく切り抜け、連携したり調整したりすることが欠かせません。そのためには、高いコミュニケーションスキルがあることが求められます。また、ときには交渉したり説得したりすることも必要です。そのとき、この人であれば信頼できる、任せても良いだろうと思われるような人間性を持ち合わせていることも大事でしょう。
ここでは、生産管理の仕事をするにあたって役立つ資格を3つ紹介します。
生産管理オペレーション
生産管理に役立つ代表的な資格としては、「生産管理オペレーション」があります。これは中央職業能力開発協会が主催する資格です。取得を目指して学ぶことで、設備管理や資材、物流管理などに関する知識を体系的に把握できます。生産工程の効率化を図る際に活かせる場面もあるため、周辺知識として押さえておくと良いでしょう。知識を得たあとは、実務経験を積むことでより深く理解が進み、レベルアップが図れます。
生産管理プランニング
「生産管理プランニング」も、生産管理に役立つ代表的な資格です。生産管理オペレーションと同様に、中央職業能力開発協会が主催しています。取得を目指して学ぶことで、工場の生産システムや生産計画など生産管理業務の中核ともいえる分野の知識を習得することが可能です。生産管理のプロとして活かせる知識を幅広く学べ、生産現場において活かせます。
中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業の経営上の課題を診断し、適切な助言を行う専門家です。国家資格の1つで、難易度は高いものの、経営全体を学べることからビジネスパーソンに人気があります。2016年度に日本経済新聞社が行った「取得したいビジネス関連資格」では1位を獲得しているほどです。対象となる範囲は非常に幅広く、生産管理だけではなく販売管理や経営情報システム、決算書を理解するための財務会計なども含まれます。企業経営理論や企業法務なども対象範囲です。生産管理としてレベルアップを目指すなら、有用な資格といえるでしょう。
生産管理は製造業の企業において重要な役割を担う仕事です。生産現場の指揮官として生産計画の立案から仕入れ先との交渉、品質管理の維持、進捗状況の把握や調整など幅広い業務を担当します。そのため、幅広い知識やスキルが必要です。広い視野を持ち、高いコミュニケーションスキルを有する人が向いています。やりがいを感じられ、さまざまな知識やスキルが身につく仕事ですので、興味のある人は積極的にWebで応募してみましょう。
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