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2020/03/03(火) 配信
工場の仕事というと、多くの人は製品の加工や組み立てを思い浮かべるのではないでしょうか。実際には、検査も非常に重要な仕事であり、その種類は多岐にわたります。しかし、具体的な作業内容をはじめとして、検査の仕事で働くことを検討するための情報はあまり知られていません。そこで今回は、工場での検査の仕事について、種類やメリットなどを詳しく解説していきます。
工場での検査には多くの方法があり、いろいろな要因によって適切な方法が選択されています。対象とする製品によって、具体的な方法はまったく異なるといっても過言ではありません。家電製品と食品では確認する項目はまったく違いますし、同じ家電製品でもジャンルが別なら検査項目や手順などは異なることが多いです。また、工場で行われている検査と工場以外で実施されている検査にも相違点があります。工場でメインとなっているのは、ライン作業で製造された製品をチェックすることです。工場以外の例としては、医療の現場で行われている臨床検査技師による確認などが挙げられます。ここからは、上記のうち工場内の検査に絞って見ていきましょう。
目視検査
目視検査は、工場の検査のなかで基本といえるものです。その名のとおり、担当者が製品を目で確認しながら問題がないか調べ、売り物としての基準に満たないものを除去していきます。不良品や異物が混入した状態で出荷すると、クレームを受けるだけでは済まず、大きな損失につながりかねません。消費者が正常だと思って使用した結果、事故を招くようなケースもあるので、徹底的にチェックすることは非常に重要です。賠償責任の発生や社会的信用の下落といったリスクを最小限に抑えるため、どの製品に対しても全数検査を実施するのが一般的となっています。
日々の業務においては、ベルトコンベアで運ばれてくる製品に対して、不具合を1つも見逃さないつもりで隅々まで見ていく意識が求められます。そう言われると、勤務が終わるまで集中力を持続させるのが大変そうだと思う人もいるでしょう。しかし、たいていの工場では十分な対策が行われているので、過剰に心配する必要はありません。集中力の低下による見逃しを防止するため、複数の担当者を用意してローテーションを組んでおり、休憩を挟みながら作業を進められるようにしています。
外観検査
外観検査も基本的な検査の一つであり、担当者は外観に特化したチェックを行います。製品や設備にもよりますが、製造ラインの不調などにより、どこかの工程で傷が付いたり変色したりするケースは珍しくありません。外観の不具合は消費者にも分かりやすいため、機能などに問題がない場合でもクレームに直結しやすくなっています。不具合と見なす傷や変色などの程度は、製品や企業によってさまざまです。たとえば、食品は見た目が売れ行きに大きく影響するため、外観検査を重視している企業が多く見受けられます。家電などの部品も傷があると故障を誘発しやすい印象を与えるので、外観検査を積極的に実施している場合が多いです。
いずれにしても、判断のガイドラインが用意されているので、担当者はそれに従って不良品を分別していきます。画像処理の技術を用いて作業の自動化に取り組んでいる工場でも、機械では大まかな検査しかできないケースもあるでしょう。技術の進歩によって機械の性能は上がっていきますが、不具合を確実に発見できるレベルに到達させるのは簡単なことではありません。したがって、微細な不具合のチェックに関しては、あくまでも人に任せるというスタンスの工場も多くなっています。
モニターチェック
完成品のみが検査の対象になるわけではありません。不良品が作られるのを防ぐために、製造の経過を観察するという手段もあります。モニターを通じて、現場のスタッフが正しく作業をしていることや、機械が問題なく稼働していることを確認します。途中で不具合が生じていた場合、それ以降の工程を経て完成させても良品にはなりません。早い段階で不具合に気付けたら、そこでストップすることにより、コストや時間の無駄を省けます。不具合のあるパーツを交換するなどの対応をしてから再開したり、代替品の製造を迅速にスタートさせたりすることも可能です。
さらに、完成後では分かりにくい内部の問題も見つけられるなど、モニターチェックには多くのメリットがあります。また、製造ラインを見直しやすいこともメリットの一つです。完成した製品に不具合があっても、製造のどの工程で生じたものか判断しにくい場合があります。突き止めるのが遅くなると、その間に同じような不良品が次々と生みだされるかもしれません。一方、モニターチェックで不具合を発見すると、その時点で原因となる工程が明らかになるので、製造ラインの改善にもすみやかに取りかかれます。
分析補助
検査の仕事のなかには、研究者のサポートを目的としたものもあります。医薬品や化粧品のような研究開発が盛んな企業の工場でよく実施されており、他の業界の工場における検査とは異なる要素が多いです。この検査は分析補助と呼ばれるもので、不良品の発見ではなく、成分の分析やデータの整理が主な役割となっています。研究開発で、新製品を生みだしたり既存の製品を改善したりするには、そのベースとなる詳しい情報が必要です。工場で得られる分析結果やデータは、その情報として貴重なものであり、他の手段で得るのは容易ではありません。そのため、工業から研究開発の現場にしっかりとフィードバックしていく必要があります。
このような分析補助の仕事を続けていれば、研究開発を後押しすることになり、新製品の誕生などに貢献することも可能です。ただし、それを実現するには、他の検査の仕事と同様に集中して丁寧に検証していく意識が求められます。さらに、論理的に分析する能力やデータを扱うITスキルも必要な場合が多いので、理数系の仕事の経験がある人にもうってつけです。
測定器での検査
極端に精密な製品など特殊な仕様のものは、通常の検査だけで正常かどうか判断するのは困難です。そのような特殊な製品を正確に検査しようとすると、一般的な測定器とは異なる特殊な機械を用意しなければなりません。ただし、そのような機械を準備できても、誰でも操作できるわけではないので注意が必要です。それを扱うために資格が必要であることも多く、その資格を所有していなければ、まずは取得を目指すことになります。資格の内容や受験の条件について把握したうえで、計画的に取り組んでいくことが大事です。
資格取得のために実務の経験が条件となることも多く、いきなり受験できるわけではなく、検査の仕事に携わらなければなりません。そのうえで、多くの試験科目についても対策を進める必要があります。一つひとつの対策に時間がかかるので、取得までの道のりは決して短くはないでしょう。しかし、努力して資格を得てしまえば、特殊な製品を検査できる貴重な人材として重宝されます。替えの効かない専門家と見なされ、これからのキャリアを積みやすくなるので、検査の仕事を長期的に行いたいなら、チャレンジしてみる価値は十分にあります。
工場における検査の仕事には多くのメリットがあります。たとえば、一部の仕事は初心者でもスムーズに取り組みやすいことは大きなメリットです。一般的な検査であれば特別な資格は不要であり、年齢や性別による制限もないので、仕事を始める際のハードルは高くありません。以下に、具体的なメリットを挙げるので把握しておきましょう。
仕事への習得スピードが比較的早い
検査の仕事にはさまざまな難易度のものがあります。初心者がいきなり複雑なものを任されることはなく、基本的なものから割り振られるのが一般的です。また、上司や指導担当の先輩がレクチャーをしてくれますし、マニュアルも用意されていることが多いので、やり方がわからなくて作業が進まないような事態にはなりません。記憶力に自信がなくても、あまり時間をかけることなく仕事を覚えられるでしょう。基本的な検査の手順は決まっているため、働いているうちに作業の流れは自然と身につきます。覚えようとする前向きな意識があれば、何度も繰り返すことによって、いつのまにかコツを掴んでいることも多いです。
とはいえ、初日などはまだ手つきがぎこちなく、目の前の検査をこなすのに精一杯になっても不思議ではありません。しかし、経験を積むつれて心に余裕ができ、それに伴って作業のスピードも上がっていくので、心配しなくても大丈夫です。そうして基本的な検査をうまくこなしていると、難易度を上げた仕事を任される可能性があります。自分の成長を実感できるので、大きなやりがいを感じられるでしょう。
肉体労働ではないため続けやすい
工場の仕事に対して、肉体的に疲れるというイメージを持っている人もいるでしょう。たしかに製造の工程において腕力や体力が重要となる仕事もありますが、検査はそれに該当しません。肉体労働ではないので、腕力や体力が優れていなくても十分にやっていけます。大きなポイントになるのは立ち仕事ではないことです。工場や担当する製品にもよるので一概には言えませんが、座った状態での作業が一般的となっています。そのため、長時間働いていても疲れを感じにくいことがメリットです。
立ち仕事は足腰への負担が大きくなりやすいので、内容が気に入っていても続けにくい場合もあるでしょう。最初は良くても、年を重ねるにつれてつらくなってしまうケースも珍しくありません。検査の仕事にはそのようなデメリットがないので、ずっと続けていきたいという人にも適しています。帰宅後の時間や休日を休息だけに使うような事態にもならないので、プライベートを充実させたい人にも魅力的です。また、疲労による集中力の欠如を抑えられるので、仕事のクオリティを保ちやすいこともメリットといえます。
責任が伴う仕事のためやりがいや責任感を感じられる
検査は、製品の品質を一定以上に保つために不可欠な仕事です。製品の品質が悪ければ、その情報はインターネットの口コミなどですぐに世間に広まり、企業の収益に大きなダメージを与えてしまいます。反対に、評判が良ければ、収益が大きくアップすることが期待できます。つまり、品質管理を担う検査の仕事は、企業の存続にも関わる大切な位置付けとなっているのです。普段はそのようなことを考えない人でも、担当している製品が店に並んでいる様子を見たときなどに、仕事の重要性を実感できるようになるでしょう。
また、モニターチェックのように製造の途中で検査を実施する場合もありますが、一般的な検査は製造における最後の工程となっています。組み立てや塗装など、どの工程も製造にとって大事なものです。しかし、検査の担当者は、やはり最後の工程を任されているという状況により、自分が重要な最終責任者であるという自負が強くなります。その自負がやりがいを生みだし、前向きに働き続ける大きな原動力になるのです。完成までに携わった人たちの働きを感じとることで、その集大成として、正確に検査しようとする責任感を持てるでしょう。
効率的な仕事の進め方を覚えられる
基本的に、工場は大量生産を行う場所であり、次々と製品が仕上がってきます。そのため、検査も滞りなく進める必要があり、できるだけ効率を上げようとする姿勢が重要です。製品ごとにチェックの項目などは決まっていますが、人によって作業に使う時間は異なります。検査を毎日行っていると、時間をかけたほうが良い項目とそうでない項目が分かるなど、仕事の進め方のノウハウが蓄積していきます。その結果、同じ時間でも従来より多くの作業をこなせるようになり、さらなる工夫をする余裕も持てるようになるのです。
多くの検査を手際よくこなしていると、上司や同僚からの評価は自然と上がっていくでしょう。それが大きなやりがいとなり、もっと効率よく進めようとするプラスの連鎖が生まれます。検査は、単位時間あたりの個数という形で成果を把握しやすい仕事です。工夫により検査できる個数が増えていくことに、やりがいや楽しさを見出すようになる人も少なくありません。漫然と日々の作業をこなすのではなく、効率化という目標を掲げて取り組むことで、自分の成長を促せることもメリットの一つです。
工場での検査の仕事は、興味があれば誰でも簡単に始められます。それだけでなく、生産性を高める工夫ができることや、製造の最終工程を担えることも大きな特徴です。これらの特徴によって、やりがいや責任感が湧き起こり、前向きなスタンスで働き続けやすくなります。魅力的な仕事を探しているなら、工場での検査を有力な候補として検討してみましょう。
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