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交通費規定支給とは?
交通費にまつわる知識を紹介

2020/03/23(月) 配信

交通費規定支給とは?交通費にまつわる知識を紹介

 多くの職場が正社員やアルバイトといった雇用形態を問わず交通費を支給しています。交通費については「交通費規定支給」というルールがあり、交通費に関する規定が定まっています。それに基づいて額や支給方法は変わります。この記事を読めば、これまで気にしてこなかった交通費にまつわるさまざまな知識を得られるでしょう。

企業に交通費支給の法的義務はない

企業に交通費支給の法的義務はない

 大前提として、企業が従業員に交通費を支給する義務はありません。労働基準法をはじめとするさまざまな法律にも明記はなく、企業が交通費を支給しなくても罪には問われないのです。ただ、労働基準法では就業規則を制定する際に「労働者に何らかの負担を求めるときの項目」を明記しなくてはならないと記載されています。ここで交通費という言葉が使われているわけではありません。しかし、多くの企業は交通費も含まれると解釈しており、支給することが一般的となっています。交通費の支給が0円という企業はむしろ珍しいとさえいえます。

 そもそも、交通費がまったく支給されない職場は従業員から魅力的に見えません。遠方から通わなければならない従業員からすれば、なおさら「働きたくない」と考えます。思うように優秀な人材が集まらず、企業力が低下する原因になるのです。人材難が叫ばれている時代で、企業側には交通費を支給しないデメリットがたくさんあります。その結果、支給に踏み切っている企業がほとんどとなっているのです。

交通費の規定内支給とは?

交通費の規定内支給とは?

 企業が定めた規定によって交通費の額は決まり、支給されます。この仕組みを「交通費の規定内支給」と呼びます。多くの企業が規定内支給で従業員に交通費を支払っています。規定内支給とは法律で規定されているわけではないので、企業によって支給方法はさまざまです。就職活動において企業の募集要項に「交通費は規定内支給」とあれば、あらかじめ規定の内容を確かめるようにしましょう。

よくある交通費支給のルール

よくある交通費支給のルール

 職場を選ぶ際は交通費支給のルールをしっかり調べましょう。交通費支給にはいくつかのルールがあり、企業ごとに異なるからです。当然のように全額支払われるものと思っていたら、入社後にトラブルを招きます。以下、交通費支給ルールの代表例です。

全額支給
 通勤や出張にかかる交通費を、全て企業が支給する方式です。交通費は「月ごと」「3カ月ごと」など、企業の規定に沿ってまとめて支払われます。なお、給料日に合わせて振り込まれるケースが一般的です。もしも定期券を購入したほうが安くなるのであれば、企業が定期代を計算して支払います。

 全額支給は従業員の負担が0円なので、望ましい方式だといえます。ただ、企業からすると遠方から通う従業員には多額の交通費を支給しなくてはならないデメリットも発生します。そのため、無条件で全額支給をしている企業ばかりとは限りません。たとえば、「月2万円までは全額支給」のように、上限を定めている企業も多くあります。就職先に事前に支給額を確認しておきましょう。



一律支給

一律支給
 日や月単位で決まった交通費を支給するパターンです。従業員ごとに細かい交通費の計算をする必要がなくなるので、企業側にはメリットの多い方式です。従業員からしても、交通費が安く済んだ月にも定められた額を必ず振り込んでもらえるのは魅力です。そのかわり、休日出勤が多かったなどの事情で交通費が高くなったときでも額は変わりません。了承する前に、負担にならないだけの額が支給されるのかリサーチしておきましょう。

基本的には家からの最短ルートの金額で支払われる

基本的には家からの最短ルートの金額で支払われる

 交通費の支給額は、ほとんどの場合、企業側が決定します。採用が決まると、企業から最寄り駅を聞かれるので答えなくてはなりません。そのうえで、企業が交通費を算出し、全額支給なら過不足ない額を支給します。なぜ従業員が金額を請求するパターンが少ないのかというと、不正を防ぐためです。わざと遠回りのルートでの通勤を申請したり、交通費の高くなる通勤手段を選んだりして請求すれば、従業員は余分な額を受け取れます。ただ、このような支給を続けていると企業側の不要な支出になるので、最短ルートを前提として交通費は支払われるのです。

 なお、企業は最寄り駅だけでなく従業員の住所も把握しています。そのため、居住地から会社までの距離も考慮し、公共の交通機関を利用しなくても徒歩や自転車で通勤できると判断されれば、費用は支給されません。交通費は全従業員に支払われるわけではないことを念頭に置いておきましょう。

車やバイクの場合は交通費は支払われるの?

車やバイクの場合は交通費は支払われるの?

 自宅の近隣に駅やバス停がなければ車やバイクで通勤しなくてはなりません。また、体調面などの問題で満員電車を避けたい従業員も自動車通勤を希望する場合があります。それらのケースでも、企業から交通費の支給を受けることは可能です。まず、従業員は自分の住所とともに、おおよその走行距離とルートを企業側に伝えます。そうすると、企業はガソリン代や燃費を計算し、月の平均労働日数を照会したうえで支払ってくれる仕組みです。ただ、支給の方式はさまざまです。1キロごとに10円単位で額を決めるようなパターンも少なくありません。一方、実費で定額を支払ってくれる企業もあります。

交通費はいつ支払われる?

交通費はいつ支払われる?

 ほとんどの企業では給料日に合わせて交通費を支払っています。そのため、就職してから初めての給料日まで、交通費は従業員自身で立て替えておかなくてはなりません。企業によっては事前に支給してくれることもあるものの、少数派です。どうしても交通費を負担するのが厳しい場合は総務部や上司に相談してみましょう。なお、車やバイクで通勤している人は、その都度実費で精算する場合もあります。

交通費に税金はかかるのか

交通費に税金はかかるのか

 所得税や住民税は年収によって変動します。原則として、年収が増えれば税金も多く支払わなくてはならない決まりです。そのため、交通費を支給してもらえたとしても「年収に含まれるのであれば結果的に税金が高くなるのではないか」と考える人もいるでしょう。結論を書けば、交通費は所得の対象になりません。税金は交通費を除いた収入によって計算されます。ただし、公共交通機関を利用するなら支給額が月15万円以内であることなど、条件があります。上限を超えると税金の対象になる場合も出てきます。

 なお、車やバイクの交通費を支給される際にも、公共交通機関に対する支給と同じく非課税限度額が採用されます。条件としては、片道2km以上で、月額10万円以内の金額であることです。

交通費を偽ったらどうなる?

交通費を偽ったらどうなる?

 少しでも収入を多くしたい人は、住所をごまかすなどの方法で交通費を偽ろうとすることもあります。しかし、こうした嘘は発覚しやすいだけでなく懲罰の対象にもなりえるのです。以下、交通費を偽って申請した場合に発生する状況を説明していきます。

刑事上の罰をうける可能性も
 まず覚えておきたいのは、企業をだまして交通費を余分に受け取る行為は立派な犯罪にあたるという点です。企業側の解釈にもよるものの、自分の利益のために虚偽申請を行った場合は「詐欺罪」に該当します。また、業務上の立場を利用して交通費を不正に受け取ったとするなら「業務上横領罪」となるでしょう。業務上横領罪を「地位が上の人にだけあてはまる犯罪」と誤解している人もいます。ただ、従業員でなければできない方法でお金をだましとることを指す犯罪なので、派遣社員やアルバイトなどの非正規雇用者も無関係ではないのです。

 もしも有罪が確定した場合、懲役刑などの罰を受けなくてはなりません。そして、罪を償った後も前科は消えることはありません。今後、社会生活を送るうえでの大きな足かせとなることも珍しくありません。「たかが交通費」と甘く見ているのは危険です。



会社からの懲戒処分も

会社からの懲戒処分も
 犯罪とはいかなくても、企業側から処分を下される可能性はおおいにあります。その中で最悪のケースが「懲戒処分」です。即日解雇されるだけでなく、一切の保障をもらえない厳しい状況に追い込まれてしまいます。そこまで重い罰でなくてもけん責や減給などが下されることはありえます。多くの企業では本格的に懲罰が下される前、上司から警告がなされるのが一般的です。そこで正直に交通費を申請しなおしたら許してもらえることもあります。ただ、不正を止めようとしなければ、懲罰は避けられないでしょう。

 なぜ企業が交通費の虚偽申請を問題視するのかというと、企業に損害を与えている行為だからです。月1万円ほどの虚偽でも、積み重なれば無視できない金額です。また、企業内の風紀を乱さないためにも少額だからといって見逃してはもらえません。1人でも虚偽申請を認めてしまえば悪しき前例となり、他の従業員も同じ行為に手を染めてしまいます。そして、交通費以外のルールに関しても意識が薄まり、規律を保てなくなっていく危険性もあります。最初から交通費は正しく申請することが、社会人としての基本的なルールです。



偽った分は返金しなければいけない?

偽った分は返金しなければいけない?
 減給や懲戒処分だけで事後処理が終わるわけではありません。交通費を偽ったことが発覚した場合、だましとった全額を会社に返還する義務が生じます。そして、この義務は免れることはありません。法律用語では「不当利得の返還請求権」と呼ばれており、不正な交通費が支給されたケースでは無条件で適用されます。その際の理由は問われません。従業員が意図的に虚偽申請した場合はもちろん、企業側のミスであったとしても返還することが大原則です。

 すなわち、交通費の虚偽申請が長く行われていれば、それだけ返還する額も大きくなるということです。「会社が気づいていないからずっとだまし取れる」と思っていても、発覚したときに巨額の返還義務が生じます。交通費の申請は正直に行いましょう。

交通費の偽り取得になるパターン

交通費の偽り取得になるパターン

 悪意を持って交通費を偽り取得する人ばかりではありません。本人の過失で交通費を多くもらいすぎることもありえます。指摘されるまで自覚すらなかったパターンも考えられます。ただ、理由がどうであれ発覚した際には返還の義務が生じるのです。以下のような間違いが起こっていないか、きちんと振り返って交通費を申請しましょう。

住所を偽る
 もしも企業側に渡した個人情報で住所の市町村名を間違えていたり実家の住所を書き込んだりする過失があると、交通費の額は変わってきます。そして、実際よりも多くの交通費が支払われる可能性も出てくるでしょう。本人が意図していない過失であったとしても、法的には虚偽とみなされます。そのことで実際に企業側は損害を出しているわけなので「偽り取得」とみなされてしまうのです。

 そのほか、多いのが引越しや結婚で住所が変わっているのに申請しないケースです。従業員から企業に告げないと昔の交通費がずっと支給され続けます。その額が本来の交通費よりも多いのであれば、やはり偽り取得に該当します。住所が変わったときは手間に感じても、すぐ企業に申請しましょう。時間が経ってからまとまった額の交通費を返還するよう請求されても、対応しきれない場合もあるでしょう。



遠回りの経路を申請する

遠回りの経路を申請する
 交通費を高くしようとしてわざと通勤経路を遠回りに申請する人もいます。ただ、本人はお金目当てでなかったにもかかわらず、偽り取得になってしまうこともありえるのです。まず、「他の経路を知らなかった」パターンです。慣れ親しんだ経路があったり、引っ越したばかりだったりして効率的な道筋を知らないと高い交通費が支給されかねません。また、「乗り換えを少なくしたい」と考える従業員も多いでしょう。通勤時間はかかるものの、体力的に楽なので遠回りの経路を選んでしまうのです。そのほか、乗客の少ない路線を優先的に選んだときも、交通費が高くなってしまうことがあります。

 交通費は最短ルートでしか受け取る権利はないので、いずれの理由も不正に含まれます。遠回りでも楽な経路で通いたいのであれば、高くなった費用は自己負担にするなど工夫しましょう。



交通費を貰いながら徒歩や自転車で通う

交通費を貰いながら徒歩や自転車で通う
 原則として、徒歩や自転車などで通える範囲では交通費が支給されません。そのため、会社から近い距離に住んでいる従業員には交通費が発生しない仕組みです。また、交通費をもらっておいて自転車通勤をするような場合も「交通機関を使う必要がない」とみなされます。企業から事情を聞かれ、注意を受ける可能性が高いでしょう。それでも止めようとしないなら処罰されることもあります。交通費をもらっている以上、申請した交通手段で通うことがルールです。

交通費のルールは事前に確認しよう

交通費のルールは事前に確認しよう

 知らず知らずのうち、間違った交通費を申請している人もいます。そもそも交通費のルールをしっかり把握しておかないと間違いにすら気づけません。企業から指摘され、多額の返還請求をされてから困ることになります。就職活動を行う際にも交通費についての規定をチェックし、働き始めてからも正しい手順で申請を行いましょう。

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